7月。
帰国して以来久々にNYを訪ずれた。
もうひとつのホーム(故郷)。
旅の目的は、「立ち止まる」こと。
- “ Start by Stopping” (立ち止まるところから始めよう)
恩師・ Chrissy Carterがマットの上でよく口にした言葉。
その師を訪ね、再び彼女のもとで練習するために。Sadhana.
滞在中、受講した全てのクラスで 毎回 '出会う’ ポーズがあった。
「与えられている」
「処方されている」
「今の私に必要な何かを上が伝えようとしている」
そんな「今の自分のテーマポーズ」にきっと違いないポーズ。
【Parsvottanasana/パールシュヴォッターナーサナ】(体側を強く伸ばすポーズ):
見た目はシンプル。
でも ポーズに入れば、そのダイナミックな内側の‘引っ張り合い’—
「アクションvs.カウンターアクション」
「安定性vs. 拡がり」
「根付く(下向きの)力 vs. 進む(上向きの)力 」
「身体の前側(未来) vs. 後ろ側(過去)」
— を直ちに経験する。
ポーズの最大の目的は「背骨を伸ばし、拡げる」 こと。しかし同時に、それを妨げようとする必死の抵抗を「前脚のハムストリングス」「両体側」「コア」「肋骨」「上背部」「肩・首」に 経験する。
ポーズの中で体感するこれらの「制限」「不都合」「挑戦」が教えてくれるのは、より深いポーズの経験への鍵は、実は「リラックス」ということ。
なぜなら、必死になってもがけばもがく程、いま正に克服しようとしているはずの「抵抗」そのものをさらに増長させてしまうから。ポーズの中で、「手放す勇気」を問われていた。
「本当のところ、前に進むためにと自分が必死にしがみつこうとしているものこそが、自分を縛りゴールから遠ざけている原因なのかもしれないよ。」
十分伝わったよ...hahaha 苦笑しながら思わず空を仰ぐ。
より快適になろうとヨガスタジオに来たはずなのに。
私たちはマットの上でさえも、
「このポーズの間だけ、このクラスの時間だけ、乗り切りさえすれば、その先には開放感、達成感、何か良い事が待っているだろう」と我慢をする。
時に歯を食いしばり、ときに目を血走らせながら。
まだ見ぬ未来に期待を託し、こうしてまた今この瞬間を楽しむ事を忘れて...。
Sadhana ー
ちょうどそれは、自分で変えていけるもの (tapas) と、自分ではどうにもならないもの(isvarapranidhana) を見分け、バランスを探す旅でもある。
その為に必要とされる観察眼・洞察力を、クリシーは
- “Calm Alertness” (落ち着きの中にある注意深さ)
と表現していた。
ただの必死さ、とは違うそれ。
それが出来たなら、
ぐっと楽になる。明確になる。何より今を楽しめる。
そんな折、
ページをめくればまるで励ますように「忍耐力」を諭すマスター・賢人達の言葉が本の中から飛び込んでくる。
「忍耐力」ー
必死の我慢、とは違う。
事実から逃避し、現実を否定する姿勢なのか、受け入れ、認めている姿勢なのか。
抵抗するのか、信じて待っているのか。
大きな違いはそこに「自己信頼」があるということ。Faith.
するとそこから希望が生まれるから。Hope.
「季節は急げない。春がくれば、芝生が自然と伸びるように。焦る事は苦しみを生むだけ。」(‘Wherever you go there you are’- by Jon Kabat-Zinnより)
「切り傷、擦り傷を、そのうち治るからと放っておく様に。自然にゆだねるように自分自身にも信頼を見いだして。」(’Wisdom of the ages’- by Dr. Wayne W. Dyerより)
「偉業は時間を恐れない」 —孔子
恩師・賢人たちの言葉を自らの実践・経験に変えていけるまで、辛抱強く、そして
いつでも楽しみながら!進んでいきたい。
Yoga for Happiness! -立ち止まり、改めてそう実感した時間。
そして先日、場所は変わって日本。都内スタジオでの一幕。
「ねぇーだからロコちゃん、そんな時はもっとゆだねて!」
先輩ヨギーニからのドンピシャのひと言....。
「絶句(あぁ、やっぱり...)」
日々練習!